読書MEMO

笹澤豊『<権利>の選択』勁草書房 ISBN:4326152761
おすすめ。それほど難しくないから、1,2回生でも読めると思われ。
権利という概念が、人間がよく生きるためのツールとして作り上げてきたかがよくわかる。
そして、それは決して自明なものでもなんでも無く、金科玉条にするものでも無いこともわかるはず。

<ライト>の思想を、我々は真理であるとみなしている。だがこの思想は、実際には自己の正当性の根拠を示すことができない思想であり、そうである以上、われわれはこの思想を絶対的な真理として受け取るわけにはいかない。しかし、それでも我々はこの思想を必要とする。この思想は、「或る種の生物」が、つまり力において他者とほぼ同等である(と自己を規定している)我々が、生きていくために欠かすことのできない思想だからである。そういう思想であるから、我々は取り決め(=契約)によって、この思想を「真理」であるとみなすのである。(P229-30)

藤原保信『自由主義の再検討』と併せて読むといいかも?
もっと、軽くこの著者に触れてみたいなら『小説・倫理学講義』(講談社現代新書)がおすすめ。
こちらは小説テイストで実に読みやすい。