読書−−経済学的思考のセンス

経済学的思考のセンス―お金がない人を助けるには (中公新書)
大竹文雄『経済学的思考のセンス』中公新書
本著の言う「経済学的思考」はインセンティブをどう扱うかって話。
すらっと読める、と思いきや最後の方にいけばいくほど難しくなる。
本書のコンセプトが、小学生の質問「貧しい人を助けるにはどうしたらいい?」への返答。
結局難しいのが「本当に貧しい人」を探すことが難しいということらしい。
例えば、現時点の所得格差で不平等を計ったら老人世代の方が現役よりも、低所得だ(働いてないから)
でも、彼らも現役世代の貯蓄を切り崩していれば、それはそれでそこに不平等があるわけでは無い。
これは生涯所得で考えることも出来るが、日本のような社会では新卒段階での景気動向生涯賃金が左右されたりする。
ことに、低成長時代の国家においては、親からの遺産分配の割合が生涯所得に大きく響く。