読書MEMO−多元化(以下略

多元化する「能力」と日本社会 ―ハイパー・メリトクラシー化のなかで  日本の〈現代〉13
本田由紀『多元化する「能力」と日本社会』2005年 NTT出版
読了。
結論の専門性。Amazonのレビューで言われてるほど陳腐なものでも無かったと思う。
大学全入時代を目前に迎えるなか、高等教育が想定されてるほど専門性を担保できるものでは無い。
その中で、言わばコミュニティに根ざした専門性を求めることは、間違ってないと思う。
こう考えると、その「専門性」を育む場として、サークル(課外自主活動)というものを位置づけて理論だてることも可能になるのでは?と淡い期待を持ちながら読了。

「専門性」はその内容で結ばれた共同体を形成するため、個人はそこに帰属することによって対人的なつながりを形成し、コミュニケーションの力を高めることができる。いわば「専門性」は、個人と個人が結びつくための強力な「ネタ」を提供する。それは、消費文化内の微細な「好み」の違いに基づいてバラバラの「島宇宙」へと分断された子ども・若者文化を、より公共性を帯びかつ大括りな別種の区切り線に沿って編成し直すことを通じて、開かれたコミュニケーションが成立するための手掛かりを与える(P265-6)